倉敷市上東のお客様より『蔵の美上東本店』に来店され買取致しました。
家の建て替えで不用品を処分したいとの事で使わなくなった煎茶道具の査定での来店を頂きました。
ここ近年煎茶道具で鉄瓶,急須,宝瓶,と言った品物が中国で需要があり中には何十万と言う金額で取引される品物も有ります、今日は何十万とはなりませんが、一見ただ古く錆びた鉄瓶ですが、龍文堂,大國の品物が有りましたのでしっかり評価させて頂きました。
◆大國(おおくに)
「大國」は、大阪で代々続く鋳物職人の家であります。江戸時代には大砲を鋳造していた記録があり、江戸末になると、大砲だけでなく、茶釜を製作するようになったと言われています。
明治時代、「大國柏斎」の代になると、茶の湯釜だけでなく、新たに鉄瓶を製作するようになりました。これが大國鉄瓶のはじまりであります。
大正13年(1924年)には、パリ万国装飾展に出展して1等を受賞。当代きっての名人と謳われるほどの名声を獲得しました。
その息子である「大國寿朗」は、明治19年(1886年)、大國栢斎の長男として誕生。栢斎に師事し、多数の茶釜や鉄瓶を製作。新たに鉄瓶の意匠に煎茶趣味を取り入れ、それまでに無い作品を創造しました。
特に好評を博したのは、蝋型鋳造による花鳥風月や漢詩を施した鉄瓶であり、数多くの作品が作られています。
また、寿郎の作った鉄瓶には、「大國」「寿郎」の角印の他に、「春霞堂」の銘が入ったものが確認されています